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対談インタビュー
形式に縛られない自律と自由の中で、LTSが大切にしている古くて新しいコンサルティングの根幹

亀本 悠|Yu Kamemoto(写真左)
LTS取締役 副社長執行役員、戦略コンサルティング事業本部 本部長
慶應義塾大学卒業後、ブティック系戦略ファームを経て2011年にLTSに入社。2018年より執行役員、2019年に取締役に就任。
戦略コンサルティング部門やデータ分析部門を立上げ、同事業部門の責任者として、サービス開発及び事業規模拡大を牽引。経営戦略・成長戦略策定に関する豊富な知見を有する。特に情報通信領域においては国内トップ企業群のアドバイザリ実績多数。国内外の大学と連携し先端技術の研究やインダストリー展開を推進。
山本 政樹|Masaki Yamamoto(写真右)
執行役員 Chief Strategy Officer
立命館大学政策科学部卒業後、アクセンチュアにて業務コンサルティングに従事。フリーコンサルタントを経てLTSに入社。
システム開発案件におけるプロセス設計や現場展開、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の導入など、ビジネスプロセス変革案件を中心に手掛ける。ビジネスプロセスマネジメント、及びビジネスアナリシスの手法や人財育成に関する啓蒙を中心に活動。
コンサルティング業界の課題とあるべきプロフェッショナル像

亀本コンサルタントはそれを生業としている会社に入れば、新卒1年目でも「コンサル」と名乗れてしまう世界。プロ野球選手はチームに選ばれ契約される必要がありますし、医師は国家資格が必要ですが、コンサルタントは業界としてスタンスや価値観、基準が定まっているわけではありません。また仕事の垣根が溶けて広がっていることもありますから、自戒自省を込めて言えば、玉石混合ですよね。
山本一言でコンサルタントと言っても様々な専門性があるので「私はコンサルだ」と名乗っただけではクライアントにどのような価値が提供できるのか分からない。例えば、私ならビジネスアーキテクト、亀本さんならストラテジスト、そのほかLTS社内だけで言ってもシステムアーキテクトやデータサイエンティストといった形で、それぞれの専門領域でクライアントから認めていただくからこそ、成り立っている職業だと思います。
亀本一人の人間が経営における全領域を網羅することは、簡単ではありません。その前提に立つと、あらゆる領域に精通しているコンサルタント像というより、専門領域を武器に貢献する像というのが適切なのだと思います。しかも私たちのクライアントは、その業界において長年事業を磨いておられるリーディングカンパニーです。そういった方々に対して時にリード、時に伴走して差し上げたいと思ったら、自分が専門としている武器が無ければ貢献できません。DXが活況な中、コンサルティングを掲げる企業・職業人が拡大していますが、そうした専門性やプロフェッショナリズムを持ってクライアントに対して価値提供できるコンサルタントばかりではないように感じています。
山本専門性は大切ですが、クライアントの問題解決を考えると自らの専門の周辺領域の知見や、経営全般のセンスも必要になります。経営上の問題は様々な要素が複雑に絡み合っているので、それを理解した上で「自分の専門性を軸にしつつ、このようなアプローチで問題を解決します」という貢献シナリオを語れなければ、クライアントの役に立つことはできません。その際には、当然、自らの専門外のことも知っている必要があります。ですから、コンサルタントは自らの専門性を幹としつつも、様々な知識や知見を、好奇心をもって追いかけていく姿勢が大切です。
亀本知識・知見を拡げていく際のインプットの質・量も重要ですよね。例えば海外から日本に入ってくる情報は、その時点でものすごく選別されていることも多いです。分かりやすいところではAIソリューションという1つのカテゴリーで見ても、海外では多種多様な選択肢がある中で、日本では限られた情報と選択肢の中で対応せざるを得ません。そこは情報を取りに行くか否かの差ですが、その積み重ねによって、クライアントへの提供価値に大きな差が出る点だと思います。視座を高く持つべき、と言い換えてもいいかもしれません。
先ほど政樹さんから「経営を総体として捉えて自分の専門性から貢献シナリオを語れ」という話が出ましたが、海外企業と比較すると、日本企業の場合はビジネスにおける様々な要素のエンティティが総じて小さいという特徴もあります。それがイノベーションや意思決定、人財育成といったテーマに影響してくるわけですから、そのような特徴も含めてクライアントを理解し、貢献シナリオを語れるかどうかが重要ですよね。コンサルティング業界と呼ぶものがクライアントに貢献し続けられるかという意味では、そうした人財を輩出し続けることができるかという点が課題なのだと思います。
コンサルタントの面白さと、その先に見据える社会への貢献

亀本やはりコンサルタントの仕事は面白いですね。クライアントにとっての新しい挑戦に立ち会えたり、危機的状況をサポートさせていただいたり。数カ月単位のプロジェクトを次々と任されるので、その度に転職しているかのように違った経験ができるんです。企業にとってのビックイベントに何度も関わらせていただくことができる、こんな仕事は他にはないのではないでしょうか。私は20年間ずっと「楽しい」と思ってこの仕事を続けています。
山本好奇心の強い人にとって間違いなく面白い仕事ですよ。常に新しいことが学べるし、学ばなければならない環境に身を置くので、学習は仕事の一部となります。しかもその学習というのはいわゆる座学ばかりではなく、フィールドワーク的なものが中心となります。何らかのゴールを目指して、いつも違うことをしている状態。言うなれば、いつも机に座って授業を受け続ける学校生活ではなく、毎月のように文化祭や体育祭のようなイベントがあって、実行委員として走り続けているような感覚なんです(笑)。
亀本確かにそうかもしれない(笑)。政樹さんは、様々な経験・学びを経て、現在は変革人財の育成に注力されていますよね。
山本はい、今やライフワークですね。人財育成という観点では、クライアントも含めた全てのステークホルダーが“仲間”です。会社という括りはあくまで器でしかなく、所属問わず皆で社会・市場に貢献できる変革人財を育てていく必要があると思っています。私がLTSの役員でありながら現場に立ち続けている理由の1つは、社会と繋がって変革人財を育てる仲間を作るため。私に限らずLTSで活躍するリーダーたちは、人を育てることへの強い思いを持っている人が多いですよね。亀本さんの今現在の関心はどこにありますか?
亀本私は日本にもっと元気になってもらいたい気持ちがあります。LTSに入社して様々な国に足を運び、その国々でキラキラ輝いて働いている方たちの姿を見て、憧れの感情を持ちました。残念ながら現在の日本は、誤解を恐れずに言えば楽しそうに働いている人が少ないと感じています。日本には世界に誇れる文化や技術が沢山あります。それらをうまく活用して世界でもっと注目されるようになりたいですし、そういった場で活き活きと働く人を増やしたいですね。コンサルタントという立場だからこそ様々なクライアントの支援ができるとも思います。
LTSらしい自由と挑戦のカルチャー

山本コンサルティング会社が新たに立ち上がる場合、特定の得意分野を決めて、その立場から市場に訴求していくことが多いと思うのですが、LTSはそれをやってこなかったという意味では珍しい存在、珍しいカルチャーではないでしょうか。各リーダーがそれぞれの立場でクライアントの問題解決と自分の関心事の両立を追いかけた結果、フルスタックに近い状態でサービスを取り揃えることができました。会社が意図したわけではなく、リーダーたちの関心事の追求を支援していった結果ですよね。
亀本LTSにビジネスリーダーとして自分のやりたい領域に邁進できる環境があることは間違いないです。むしろやりたいことを宣言して取り組むことを歓迎しています。「会社は応援する。その実現を果たすのは本人」という考え方です。ですから、プロジェクトを一緒に進めていく仲間づくりも基本的には自らの手で行う必要があります。会社がミッションを与えてメンバーをアサインして……といったお膳立てをしてくれるわけではありません。「この人と一緒にやってみたい」と思ってもらえなければ、そもそもチームを作れない。自分の思いを果たすためにどう動くか、は自分自身に委ねられるのです。
山本大手コンサルティングファーム出身者から見ると、あまりにも自由で驚く方も多いようですね。枠組みやこれまでの事例に縛られて可能性を閉じるようなことがない。必要なルールが無ければ作ればよいという発想。逆に言うと、大手企業のようにはじめから一定の計画や資源が提供されるわけではないので、その点で苦労することもあります。それを自由で楽しいと感じるか、支援が少なくてストレスと感じるかは人によって異なるかもしれません。
亀本この状況を自由と感じられる人は、LTSに向いているのでしょうね。加えて、これからLTSの選考に参加いただく方向けに、ことマネジメント、マネージャーという観点で話すと、やりがいも大変さもある組織だと思います。これまでに話してきたようなカルチャーですから、ご自身がコンサルタントとして高い能力を発揮し、かつクライアントや社会への貢献に向けて理想を持った上でチームマネジメントを行うことが重要です。単にメンバーに指示をするというスタンスでは、メンバーが付いてこないと思います。クライアントに対しては先頭に立ってディスカッションをしながら、チームに向けては自分の理想も示しつつ、メンバーそれぞれのやりたいことを吸い上げてサポートを行っていく。そういう方であれば、LTSには年次関係なく本当に多くの才能あるタレントがいますから、協働を心から楽しんでいただけると思います。
山本クライアントをはじめとして社会、チームメンバーといったステークホルダーの幸せの最大化を考え、そして自分自身の思いも大切にできる人はきっと当社で活躍できるはずです。
LTSが描く未来── 繋がりと信頼の先に、可能性を解き放つ存在に

山本私たちはLTSという組織を大きくすること自体を最上位の目的とはしていません。先に述べた通り、日本では変革人財のポートフォリオが圧倒的に足りていないので、まずはLTS自体がその社会問題の解決に向けて変革人財の輩出を実践する組織であるべきだと思っています。社会にとって、クライアントにとって、本当に必要なことで貢献しパートナーとして伴走し続けることで、自ずと業績がついてくると信じています。私たちはミッションに「可能性を解き放つ 〜人の可能性を信じ、自由で活き活きとした人間社会を実現する〜」を掲げていますが、そのような取り組みを重ねていくことはミッションとも整合すると捉えています。
亀本そうですね。加えて今回の対談でも触れたように、LTSらしいカルチャーやクライアントへの貢献の視点を大切に「LTS」というブランドを創り上げたいという思いがあります。ブランドは世の中に認めていただけた証拠でもあり、社員にとって誇りにもなるもの。ゆくゆくはLTSを経験した人たちが、世界中の様々な舞台で活躍して、LTSのブランドが広く伝播していったら嬉しいです。LTS社員、伴走させていただいたクライアント、ひいては社会に対して、「LTSと出会ったことで、意味ある質的な変化を果たせた」という言葉をいただけるような活動を続けていきたいです。それが四つ葉の企業ロゴに込めているメッセージでもあります。
山本私たちのビジョンである「世界を拡げるプロフェッショナルカンパニー」にも通ずる話ですね。私たちLTSはネットワークを拡げていくことを大切にしています。社内はもちろん、関連会社やクライアント、時に競合他社や業界団体とのネットワークなど「つながりの総量」とそこに生まれる信頼こそが、私たちの重要な評価軸だと思っています。LTSの社員やこれから参画いただくプロフェッショナルの皆さんとは、その意識を共有しながら、共に成長を楽しんでいきたいですね。
※記載内容は2025年1月時点のものです
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